筆もじスト 小林佳織 かおりんのブログ

あなたや写真から感じた事が私の手を躍らせます。ことばを書くのも子どもたちとあそぶのも私にとって大事なこと。筆を通して表れることばはただ一つのもの。

私にとっての針供養はこんな日です

2月8日は針供養

折れたり曲がったりした針を

感謝の意を込めて供養する

裁縫の上達を願う

そんな日

 

稼業が和裁の仕立てとテーラーだったこともあり

小さい頃の私は

この日は全国的に祝日だと思ってました。

お盆も暮れも

ご飯を食べる以外は

仕事部屋で縫い続けてる両親が

一年で一回

「針を持たない日」として

いてくれる日だったから。

仕事台に掛け軸を飾り

豆腐を置いてそこに折れた針を刺す。

子ども心に

その一角は

神聖な、空気の澄んだ場所に感じていました。

 

時代の流れとともに

消耗品の職でもある仕立ては

衰退の一途を辿り

もう実家でもやってないかも

と思うけれど

あの空間と流れる時間は

私にとって大事な人生のパーツの一つです。

 

使ったものに敬意を表する

ものに宿っている何か

ルーティンの中にある区切り

 

こういった事を

随分ないがしろにしてきてるな、と

毎年この時期に思います。

ひとつひとつ丁寧に

必要なこと

そうでないこと

身の丈を考えて、いきましょ。

 

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