ダンスカンパニーUzmeの旗揚げ公演
団長の大瀧冬佳さんより
ポスターに字を書いて欲しい
と言われたのは公演10日ほど前だったろうか。
ダンスもエンターテイメントも好きで
ミュージカル観に行ったり
地元で舞台芸術を観る活動もしているけれど
今回の公演は
行くまでに随分ためらっていた。
舞台作品というのは
表現と
それをどう受け取るかの
化学反応が起きる場所。
実はこの作品が表現しようとしていることが
表現側の自慰行為に過ぎないのではないか
という気持ちを持たずにはいられなかった。
事前にアナウンスされていた事を
見たり聞いたりするたびに
傍観者として観る居心地の悪さ
を感じるんじゃないかと思っていた。
その思いを確かめに
公開リハーサルに出かけ
彼女の熱い魂に触れ
彼女を応援したいという気持ちは揺るぎなくなった。
でもまだ迷いがあったのだ。
題字のお話をいただいて応援する気持ちを
ぶつけて書かせてもらった。
観に行こうと心に決まったのは3日前
見届けなくちゃ
という思いが
「怖い」気持ちを上回った。
普段感じる開演前のワクワク感はなかった。
背筋に通る静謐な空気
これから現れることへの畏敬の念すら感じていた。
70分
私は息をしていたのか?
全身から汗が吹き出し
得体の知れない
圧倒的な塊が私を包んだ。
まだ言葉に降ろすことはできないけれど
これだけは言える。
この日、この時が
とてつもない力を持ったものが
生まれ落ちる瞬間だったってことを。
そこに立ち会えた事を
真摯に感じとって
生きていこう